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オープン教室の音環境づくり

オープンプランの学校は、子ども達の学習と活動の幅を広げ、従来の教室というイメージを超えた空間の魅力を感じさせます。さまざまな活動を通して“学ぶ場”にふさわしいフレキシビリティを備えた空間として、日本では今後もオープンプラン型の教室(以下オープン教室)が定着していくというのが大勢の見方でしょう。しかし、音環境の視点からみると、隣同士の教室の音が筒抜けになってしまうという問題が懸念されます。

オープン教室は歴史的にはイギリス、アメリカで登場したものですが、音響的問題を理由にオープン教室は破綻したと捉えている国も多く、音響の国際的な場では日本の状況は奇異なものとさえ受け止められています。一方、日本の教育関係者にはオープン教室は好意的に受け入れられているようです。実際にオープン教室を使っている教員に話を聞くと、教室の音が互いに伝わりあうことの利点さえ指摘されることもあります。音響的には一見不利なオープン教室で、不要な音によって生じる弊害を防ぎ、必要な音だけを活用した教育を行うことはできるのでしょうか?

このコラムでは、オープンプランの小学校での実態調査の結果をもとに、オープン教室の教育現場において音環境がどのように捉えられているのかをご紹介します。

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「オープンスペース」「オープンスクール」「オープンプラン」って?

学校を研究対象とする我々の間で、「オープンスペース」という言葉は、かなり強い特定のイメージを持った言葉として認識されているように思います。少なくとも私はこの言葉を聞くと、真っ先に(学校の)教室から連続的に広がる学習空間をイメージしてしまいます。しかし同時に、この言葉は当然、学校建築専用の言葉などではなく、一般に使われる用語であるということも認識するのです。改めて、辞書で「オープンスペース(open space)」を引いてみるとそこには、「都市や敷地内で、建物のたっていない土地。空地。」「オープン・スペース、空地、広場、空間」とあります。「オープンスペース」はそもそも、屋外空間を指している言葉なのです。何に妨げられることもなく広く開かれた開放的な(openな)空間(space)。そういう意味を持つこの単語がどうして学校における多目的な学習(屋内の)空間を表す言葉として使われるようになったのか、ここで考えてみようと思います。

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学校の音環境計画の基本

教育活動において音声による情報伝達が重要なことはもちろん、学校における重要な環境性能のひとつとして快適な音環境を確保することは非常に重要です。しかし、現状をみると、学校建築の設計の上でも、あるいは実際の教育活動においても、音環境づくりの重要性が忘れられてしまっていることが少なくありません。

このコラムでは、学校施設の音響設計の基本を確認してみましょう。

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「未来の学び」をデザインする

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学びは学校、教室の中だけで起こるものではなく、人間が日常の仕事や生活の場で常に行っている、生きる上での基本的な営みである。こうした立場から「学び」をデザインする方法を論じたのが本書である。本書は従来の学習観を問い直し、「空間」「活動」「共同体」の3つのキーワードから未来の学び像を提案する。これはつまり、教室(空間)で、個人個人が(共同体としてではなく)、知識を獲得する(活動という能動的な行為ではなく、習うという受動的行為として)という学習観を見直すことである。ここでは「はこだて未来大学」の建築とそこでの教育活動を事例に、新しい学びの形が示されている。
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学校家具の選び方~小学校多目的スペースの家具~

子どもたちの成長過程に沿って、また、学習内容の多様化により、学校では様々な活動シーンがみられます。そうした活動をサポートする家具は、子どもたちにとって、とても身近な大切な存在です。子どもたちの学習活動がスムーズに展開でき、また、楽しく学校生活を過ごせるような家具を選ぶことは、充実した学校生活を過ごす上でとても大事な要素の一つです。

今回は、多目的スペースの家具について、どんなタイプを選べば良いのか、いつくかの事例をご紹介しながら考えていきましょう。

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