オープンスペースの活動場面
ここでは、近年全国的に見ることができるようになってきたオープンスペースを持つ学校の、ある学年のユニットです。このオープンスペースの中で子どもたちがどのように学び、どのように過ごしているのかを覗いてみてください。
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ここでは、近年全国的に見ることができるようになってきたオープンスペースを持つ学校の、ある学年のユニットです。このオープンスペースの中で子どもたちがどのように学び、どのように過ごしているのかを覗いてみてください。
新築の建物やリニューアル直後の建物において、その建物を利用する人が「目がチカチカする」「めまいや吐き気がする」などの体調不良を訴えることがあります。このような症状は「シックハウス症候群」と呼ばれており、建物や内装・設備、家具・什器・備品、日用品、タバコなど、さまざまなものから放散される化学物質もその原因の一つと考えられています。
教室で支障なく学習活動を行うためには、隣り合った教室間の遮音性能を確保することは基本的に必要な条件です。しかし、近年増加しているオープンプラン型の教室では空間が連続しているため音がよく伝わってしまうことは避けられず、教室間の遮音性能として必要といわれている規準を満たすことはほぼ不可能という矛盾をかかえています。クラス間の音響的な干渉を低減するためには、運用面での工夫が不可欠ですが、同時に設計者はこの音の問題を十分に認識し、少しでも改善する必要があります。
一口にオープン教室といっても、教室の配置のしかたや仕上げの条件はさまざまですが、伝搬する音を低減するためにはどのような工夫をすればよいのでしょうか。ここでは、教室の建築的条件と音響性能との関係についてみてみましょう。
学校の教室は、国が違っても共通する部分はかなり多い。正面に黒板があって、児童生徒一人一人に割り当てられた机と椅子が並んでいるのが一般的な教室空間である。(そうでないかたちに変革した試みも多いが、そうした例については別の機会に述べたい。)しかし、それでも全体から受ける印象はずいぶん異なる。建築や家具の形態、素材、色調からくる違いはもちろんあるが、それよりも教材や掲示物、教室内にもちこまれる物品や、それらが発するメッセージによる違いは特に大きい。
筆者はこれまで日本、アメリカ、デンマークの学校を建築計画の調査のために訪問してきたが、そのたびに教室の雰囲気からその社会・文化の違いを強く感じてきた。ここでは、このような観点から教室の風景を紹介したいと思う。
オープンプランの学校は、子ども達の学習と活動の幅を広げ、従来の教室というイメージを超えた空間の魅力を感じさせます。さまざまな活動を通して“学ぶ場”にふさわしいフレキシビリティを備えた空間として、日本では今後もオープンプラン型の教室(以下オープン教室)が定着していくというのが大勢の見方でしょう。しかし、音環境の視点からみると、隣同士の教室の音が筒抜けになってしまうという問題が懸念されます。
オープン教室は歴史的にはイギリス、アメリカで登場したものですが、音響的問題を理由にオープン教室は破綻したと捉えている国も多く、音響の国際的な場では日本の状況は奇異なものとさえ受け止められています。一方、日本の教育関係者にはオープン教室は好意的に受け入れられているようです。実際にオープン教室を使っている教員に話を聞くと、教室の音が互いに伝わりあうことの利点さえ指摘されることもあります。音響的には一見不利なオープン教室で、不要な音によって生じる弊害を防ぎ、必要な音だけを活用した教育を行うことはできるのでしょうか?
このコラムでは、オープンプランの小学校での実態調査の結果をもとに、オープン教室の教育現場において音環境がどのように捉えられているのかをご紹介します。