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デンマークの教室-最新事情

インタビュー風景。後ろの100年前に建てられた校舎の中には現代的な教室が。

去る9月1日から10日まで、学校づくり応援団の伊藤、上野の両名でデンマークの学校建築の調査に行ってきました。これは文部科学省・科学研究費の助成を受けた研究の一環で、既存校舎の教室を現代的な教育に合わせてどのように改修・運用しているかを調べました。

個人重視・生徒主体の学習のような新しい教育方法を定着させるために、教室空間の使い方を含めた授業開発と評価、研修に専従する「教育アドバイザー」をスカウトした学校がありました。


PCとスクリーンも教師ではなく生徒が使う。

個別学習を重視しながらも、学習の進んでいる生徒と遅れがちな生徒、「賑やかな」生徒ともの静かな生徒をあえて同じグループにして様々なタイプの人との協働を育むクラスがありました。「社会にはあらゆる種類の人がいる」からです。

ここでは、教卓や個人机のような伝統的な家具をなくし、可動性に富む家具やグループワークに適したテーブルに入れ替えていました。部屋の大きさは以前のままで、まったく異なる教室空間が生まれていました。

また、少人数で落ち着いて学習するために、気持ちの良い大ホールの音環境を改善したり、オープンな空間の中に小部屋を設けている学校もありました。

どの学校・自治体でも、教室に何を求めるかを明確にして改修に取り組み、かつ事後の評価と修正をしているのが特徴でした。関係者のコメントから印象的なものをいくつか紹介します。

「できるだけ教師の話す時間を少なくするのが目標です」(スコウズホウズ校、イェスパー先生)

「新しい空間と道具を作るだけでは不足で、その活かし方を考えてアドバイスする役目が必要だとこの学校は考えたのです」(スコウズホウズ校の教育アドバイザー、ピア・スーレンセン氏)

「建築家との打合せでは、学校側が『こういう大きさと設備の部屋がほしい』というふうに、建物に関する具体的な要求を出さないことをルールにしました。言葉で絵を描くな、ということです。建築家と教師がお互いの得意領域で考えるように気を配りました。(ゲントフテ市・学校改革部門、ビャーテ・ビエルム氏)

詳しくは記事や研究報告の形で今後、発信していきたいと思います。

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